はじめに
屈折率が何なのかという疑問と、波長依存性が起こるのがイメージできないということから、このふたつに関して調べてまとめてみました。物理専門ではないので、イメージを含んでいる部分が多くあります。
下記のサイトを参考にしてイメージを掴みました。
屈折率の個人的な理解
屈折率は、「媒質中において、光速がどの程度遅くなるか」を表す。色々なサイトを見ていると下記で定義されるのが一般的である模様。
定義
$$n =\frac{c_0}{c}$$
ただし、\(c_0\)は真空中における光速[m/s]、\(c\)は媒質中における光速[m/s]である。
光子のエネルギーは、
$$E=\frac{h}{\nu}$$
であり、真空中・媒質中に関わらず一定である。ただし、\(h\)はプランク定数[J・s]、\(\nu\)は光の振動数[Hz=1/s]である。
したがって、\(\nu=c/\lambda\)より下記が成り立つ。
$$c_0=\lambda_0\nu$$
$$c=\lambda\nu$$
ただし、\(\lambda_0\)は真空中における光の波長[m]、\(\lambda\)は媒質中における光の波長[m]である。
したがって、下記が成り立つ。
\begin{equation}
\frac{c_0}{c}=\frac{\lambda_0\nu}{\lambda\nu}=\frac{\lambda_0}{\lambda}=n
\end{equation}
上記より、屈折率\(n\)は媒質中の光速に対する真空中の光速の比率だけではなく、媒質中の波長に対する真空中の波長の比率という意味合いもある。
つまり、屈折率\(n\)は「媒質中でどれだけ光速が遅くなるか、および波長が短くなるか」を表している。
これは、光子のエネルギーが真空中および媒質中で一定であり、光の振動数も一定であることから式変形を行うことでわかった。
屈折率の波長依存性
屈折率は、波長が短い方(青側)が大きく、波長が長い方(赤側)が小さいことが一般的に知られている。
https://www.optics-words.com/kogaku_kiso/refractive-index.html
これがなぜか疑問だったので、メモを記しておく。
スネルの法則
まず、スネルの法則を考える。
空気の屈折率を\(n_1\)、媒質中の屈折率を\(n_2\)とおき、入射角を\(\theta_1\)、出射角を\(\theta_2\)と置く。
スネルの法則は下記で表される。
\begin{equation}
n_1\sin\theta_1 = n_2\sin\theta_2
\end{equation}
なお、この式はホイヘンスの原理に基づく作図で証明ができる。(下記参照)
https://www.optics-words.com/kogaku_kiso/snells-law_2.html
波長によって屈折率が異なる直感的な理解
スネルの法則より、「屈折率が異なる」ということは「出射角度が異なる」ことと理解を変えられる。
ホイヘンスの原理に基づく作図を行うと、波長が短い方が出射角\(\theta_2\)が小さいことがわかる。(実際に作図するとわかる)
ここで例えば、\(n_1=1\)とすると、先程の式は下記のようになる。
\begin{equation}
\sin\theta_1 = n_2\sin\theta_2 \\
→n_2=\frac{\sin\theta_1}{\sin\theta_2}
\end{equation}
ここで、入射角\(\theta_1\)は一定である。また、出射角\(\theta_2\)は\(0\sim\pi/2\)の範囲を取るため、\(\sin\theta_2\)は出射角\(\theta_2\)の減少に合わせて単調減少する。
したがって、下記が成り立つことがわかり、波長依存性があることがイメージできるようになった。
波長が短くなると
→ 出射角\(\theta_2\)が小さくなる
→ \(\sin\theta_2\)が小さくなる
→ 屈折率\(n_2\)が大きくなる
つまり、波長が短いほど、屈折率が大きくなる。
今後知りたいこと
- 複素屈折率
- ホイヘンスの原理以外からの屈折率の波長依存性の理解(物理的な意味)
- 波長分散の式
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